2017年12月15日放送 コウノドリ第10話 感動の名言集(セリフ完全抜き出し)
鴻鳥先生「高山さんが受けられたNIPT(新型出生前診断)は、お母さんの血液を調べることで、赤ちゃんの3つの染色体異常の可能性を見つけることができます。今回、21トリソミーが陽性と書かれていますよね。これは、お腹の中の赤ちゃんが高い確率でダウン症候群であることを示しています。しかし、この検査の陽性的中率は90%程度で、疾患がない可能性もあります。確定するには陽性検査が必要です。」
高山光弘さん「その羊水検査ってのを受ければ、全部この子のことははっきりするんですか?」
鴻鳥先生「ほとんどの染色体異常を見つけることができます。ただ、全ての疾患がわかるわけではありません」
高山光弘「そうなんですか・・・」鴻鳥先生「高山さん、羊水検査を希望されますか?」
高山光弘さん「受けたいと思っております」
鴻鳥先生「結果が出た後のことは考えてますか?」
高山光弘さん「結果が出てからじゃ遅いと言うことですか?」
鴻鳥先生「高山さんの赤ちゃんは今16週、羊水検査の結果が出るまで1週間ほどかかります。その時赤ちゃんは18週。もし、疾患がわかったら、どのようにそれを受け止めていくのか、しっかり考える必要があります」
高山光弘さん「それは、赤ちゃんを諦めると言う選択もあるということですか?」
鴻鳥先生「ご家庭の事情もあると思います。お二人で現実に向き合って、決めていくことになります」
鴻鳥先生「高山さん、僕たちはどんな結論になっても、高山さんの決断を支えていきます。これからのこと、一緒に考えていきましょ」
鴻鳥先生「先日の羊水検査の結果が出ました」
辻信英さん「21トリソミー、ダウン症候群」
鴻鳥先生「辻さんは、何らかの診断が発症した場合、中絶を希望されていますよね」
辻明代さん「はい・・・出生前診断を受けようと決めた時から、そう考えてきました。」
鴻鳥先生「お気持ちの変化は・・?」
辻信英さん「気持ちの変化はもちろんあります、何度話し合っても、まだ迷います」
辻明代さん「でも、いろいろ考えると、私たちには育てられないと思います」
今橋先生「疾患のあるお子さんを育てる自信が、最初からあるご家族なんていないと思います。人がそれぞれ違うように、ダウン症のあるお子さんも、一人一人に個性があります。育てていらっしゃるご家族にもそれぞれの思いがあるでしょう」
辻明代さん「そうだよね、先生・・・。でも産めない・・・」
鴻鳥先生「ご家庭の事情ですか?」
辻明代さん「うち、ちっちゃい弁当屋やってて、パートさん一人頼むのも、もういっぱいいっぱいなの。この子(お腹の子)の世話にかかりっきりになったら、生活成り立たなくなる。無理なのよ・・・・。」
辻信英さん「うちには上に一人、娘もいるので・・・・」
今橋先生「お仕事には戻られたんですか?」
木村さん「あ、なんとか〜。最近は旦那もよく子供達のことをよく見てくれるようになったから」
今橋先生「ああ、そっか〜。お父さんが」
木村さん「もう本当やっとよ〜、あとは〜デイサービスでしょ〜。ヘルパーさんでしょ。もう皆さんに協力してもらって。」
今橋先生「よかった、復帰するか、すごく悩んでましたもんね」
木村さん「もう〜意地だよ〜。色んな人にお世話になって、どうなんだって思うんだけど、それこそ、壮真にもね!」
今橋先生「ママさんがママさんらしく生きることを諦めるのは、壮真君だって望んでないと思いますよ」
木村さん「うふふふふ、ありがとっ!先生といつも元気が出る!」
四宮先生「まぁ羊水検査受けに来ただけでもよかったな」
小松先生「NIPTの結果だけ見て、次の検査を受けずに中絶って決めてしまう人もいるからね〜」
四宮「たった10ccの血をとって、検査すれば良いっていう気楽さが、そういう親を生んでるんですよ。
倉崎先生「それはどうでしょう、私は新型出生前診断(NIPT)がうまれたこと、良い面もあると思います。出生前診断に、罪悪感、嫌悪感を抱く人が多いですけど、親になる前に我が子の情報を集めるのは、悪いことなんでしょうか?」
四宮先生「きれいごと言うなよ、子供に疾患があるとわかったら、中絶を選択する親がほとんどだろ」
倉崎先生「出生前診断を受けて選択する中絶について、どうしてそこまで批判的な人が多いんですかね?」
小松先生「まぁね〜、中絶する理由も人それぞれだからね〜、中学生や高校生にも、若気の至りとか、経済的に難しいっていう理由で中絶を勧める人もいるからね〜」
向井先生「性教育、全然アップデートされてないですからね〜。避妊についてとか、もっと踏み込んで知らせていかないと、それに性暴力等による予期せぬ妊娠もあります。そういう人達にとっては必要なことだと思います。」
倉崎先生「もっと生まれてくる我が子の情報を知る権利について理解して欲しいです。」
四宮先生「赤ちゃんの情報を親が知る権利があるのはもちろんわかっている、だがその情報を知った後で、どうするかを決めずに出生前診断を行うのは無責任だろ」
向井先生「そうですね、赤ちゃんが置いてきぼりにならないように、夫婦できちんと話し合って欲しいです。」
武田先生「どんな子供でも受け入れる!自分の子供なんだから!口で言うのは簡単なんだけどね。妊婦さん見てた時は、どーんと構えてたんだけど、いざ自分のことになると、私もメッチャ悩むと思う。ま、私たち助産師の私たちとしては、ただ寄り添うだけ!寄り添うの」
鴻鳥先生「辻さん、お考えは変わりませんか?」
辻明代さん「はい、諦めようと思います」
鴻鳥先生「わかりました、妊娠12週以降に行う、人口妊娠中絶は中期中絶となります。ただ、人口死産は体への負担だけでなく、お母さんの心にも負担がかかります」
辻明代さん「私のことはいいんです・・・」
小松先生「辻さん、辻さんの体も大切だよ」
小松先生「しのりんのへその緒なんだ?これ輪島塗?」
四宮先生「はい」
小松先生「へその緒ってさ、昔はお守りとして、女の子はお嫁に行く時に手渡されたり、男の子なら戦争に行く時に持たされたりしたんだよね。あとは、亡くなった時に棺桶に入れてもらうと、天国に迷わずお母さんに逢えるとかね」
四宮先生「そんな言い伝えがあるんですか」
小松先生「お父さんの気持ちだね、しのりんを守ってくれますようにっていう」
高山透子さん「まだ迷っています、まだ答えが出ません。私、なかなか子供が出来なくて、3年前から不妊治療をしていました。だから、この子を授かって、とっても嬉しかった。だけど、育てられるのかなって。ダウン症の子を育てるのって、大変ですよね?」
今橋先生「まず、知的な発達には違いがあります。お母さんやお父さんとは同じ成長や発達ではないと思います。心臓病や、呼吸器疾患等も持たれることも多いです。生まれてからも数回手術が必要な場合もあります。ただ、ダウン症のある子供達自身は、悩まず”幸福”を感じて生きていける子も多いと言うデータもあります。ご希望があるなら、ソーシャルワーカーを通じて、ダウン症のあるお子さんを持つ、ご家族達とのグループを紹介することも出来ます」
鴻鳥先生「高山さん、検査の結果を受けて、気持ちの整理がつかないこと、ご夫婦でぶつかること、あると思います」
高山透子さん「もう、全然答えが出ないんです。どうすればいいのか。ダメですね、私・・・」
鴻鳥先生「そんなことはありません。どんな選択をしても後悔することはあるんだと思います。その後悔を減らすには、しっかり悩んで決断して、その決断の中で、赤ちゃんに何がしてあげられるかを考えられるかです。お二人で向き合って、ご家族の答えを見つけてください」
今橋先生「昔だったら、救えなかった命が今だったら救えるようになった。
命が救えるようになったからこそ、苦労する家族がいる。
命を救うってどういうことなのかな。難しいね。」白川先生「今橋先生、NICUの卒業生やご家族の笑顔を見ていると、俺も頑張んなきゃなと思うんです。NICUを卒業することがゴールじゃない。その後に続く、赤ちゃんとご家族の人生に寄り添いたい。それが俺達の仕事の目標だって、今橋先生が教えてくれました」
今橋先生「ありがとう、白川先生」
《中絶後の退院された高山さん夫婦を見送った後》
鴻鳥先生「(中絶は)産科医として避けられないことだからね。
ご家族が幸せになるためだとそう自分に言い聞かせている。
でもさ、僕は赤ちゃんが好きだから(な〜)」四宮先生「ああ」
今橋先生「高山さん、赤ちゃんの件を、どうしたいと希望されていますか?」
鴻鳥先生「最後に赤ちゃんを抱っこしたいと」
赤西吾郎先生「え?あ・・・」
下屋先生「聞きたいことがあるなら、聞いた方がいいよ」
赤西先生「いや、その・・・高山さん、中絶を希望しているのに、赤ちゃんを抱きたいんだなって…」
四宮先生「お前なー」
鴻鳥先生「いいよ、吾郎先生、続けて」
赤西先生「僕は、考えてしまうんです。出生前診断も、どうして命の選別をするんだろうって、このまま出生前診断がメジャーになっていって、それが当たり前になった時、医師としてどう向き合えばいいんでしょうか・・・・」
鴻鳥先生「吾郎先生、その質問の答えは、僕にはわからない。命は尊い。赤ちゃんが生まれてくるのは奇跡だ。平等であるはずの命を選別してはいけない、その通りだ。けど、僕はずっと迷ってる。命の選別、その言葉にみんなが囚われてしまっていて、お母さん、お父さん、家族、その事情には目が向けられていない。それぞれの事情の上に命は生まれてくる。育てていくのは家族なんだ。出生前診断を受けた結果、中絶を選択する家族もある。心が重くなる。いつまでもなれることはない。けど、悩みに悩んだ上で選択して、僕たちに助けを求めている。その手を払いのけることはできない。中絶を決めたお母さんが最後に抱きたいと願う。確かに、矛盾しているかもしれない。だけど、その葛藤に僕たちがよりそわないで誰が寄り添う。検査を受けた人、受けなかった人、赤ちゃんを産んだ人、産まなかった人。どの選択も間違っていない。
いや、間違ってなかったと思えるように、産科医として、家族と一緒に命と向き合っていく。それが、僕に、僕達に出来ることなんだと、そう信じて僕はここにいる」鴻鳥先生「もうカンファレンスの時間ですよね・・関係ない話をしてしまって」
四宮先生「関係なくない、必要な話だろ」
今橋先生「命の話です」
高山光弘「大丈夫か、ごめんな。
最初に出生前診断を受けた時、俺たちには関係ないことって思ってた。けど、子供を持つって決めてから、本当は関係あることだったんだよな。
透子、二人で出した結論だから、お前だけが背負う問題じゃないからな」
透子のお母さん「あんた生みたいんだね。大丈夫、あんたがへばっても、お母さんが一緒に育てる」
鴻鳥先生「オペ終わったの?」
四宮先生「ああ、生まれた」
小松先生「どうしたの?」
四宮先生「すいません、またしばらく帰ります」
鴻鳥先生「え?」
四宮先生「親父が死んだ」
小松先生「え?」
四宮先生「迷惑かけるな、カルテは…」
鴻鳥先生「大丈夫、大丈夫。四宮…」
四宮先生「大丈夫だ。ペルソナのこと、頼むぞ」
鴻鳥先生「ああ。」
最終話
コウノドリ第11話(最終話)名言集「チームが起こす最後の奇跡」へ
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